5月14日、国連の持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(Sustainable Development Solutions Network: SDSN)のアジア太平洋地域における大学長会合がオンラインで開催され、那須保友学長、横井篤文副学長(グローバル・エンゲージメント担当)・ユネスコチェアホルダーが招待参加しました。2021年12月に続き、2回目の参加となります。
SDSNは、持続可能な開発目標(SDGs)のための世界最大の有識者ネットワークであり、ジェフリー・サックス(Jeffrey Sachs) 米コロンビア大学教授がディレクターを務めています。このたびの会合では、アジア太平洋地域から、SDGsを先進的に進めている100以上の大学が招待され、持続可能な開発を支える大学の役割について意見を交換しました。日本からは、本学に加え、東京大学、広島大学の計3大学が出席しました。また、横井副学長はSDSN Japanのリーダーシップ・カウンシル・メンバーも務めています。
サックス SDSNディレクターの開会の辞では、SDSNの現在に至るまでの発展、SDGsの多様性や達成にむけて必要不可欠な地球規模での連携について言及がありました。続いて、潘基文(Ban Ki-Moon)前国連事務総長からあいさつがあり、世界のリーダーを養成するという重要な役割を担う大学への期待が述べられました。その後、韓国、タイ、サモア、中国、ニュージーランドの教育機関の有識者が、それぞれのSDGsへの取り組みや今後の展望についてのスピーチを行いました。
その後のオープンディスカッションでは、那須学長が、アジア初のユネスコチェアであり、ジャパンSDGsアワードを受賞した本学のSDGs大学経営に基づくこれまでの実績等を紹介。サックスSDSNディレクターが提案している国連機関と大学の直接連携の強化を本学も進めていることを伝えました。ローカルな観点として、「デジタル田園健康特区」事業におけるユースとの連携を、グローバルな観点として、国連教育科学文化機関(UNESCO)をはじめ、国連貿易開発会議(UNCTAD)、国際原子力機関(IAEA)、国連平和大学等の国際機関との連携について説明しました。特に、UNCTADとの人材育成プログラム、とりわけ若手女性研究者の受入プログラムについては、科学技術イノベーション分野におけるジェンダーギャップの解消に貢献していることを強くアピールしました。
本年9月には、私達の未来を考える上で国連史上重要な会議と位置付けられている「国連未来サミット(Summit of the Future)」が国連ニューヨーク本部で開催されることになっており、大きな注目を集めています。地域と地球社会のありたい未来へ向けて、岡山大学は、今後も関連する取り組みを更に進めてまいります。
〇国連「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(Sustainable Development Solutions Network:SDSN)」
持続可能な開発目標を推進するために2012年に潘基文国連事務総長(当時)によって設立された非営利団体のグローバルなネットワーク。学術機関や企業、市民団体をはじめとするステークホルダー連携のもと世界の環境・社会・経済問題の解決および持続可能な社会の実現に向けた方策を見出すとともに協働して実践していくことを目的としている。
SDSN公式サイト
SDSN Japanサイト