国連のイニシアチブ「高等教育サステイナビリティ・イニシアチブ(HESI)」のアクション・グループ「AIと高等教育の未来」に教員2人が参画

2024年に国連大学サステイナビリティ研究所(UNU-IAS)が共同議長として設置した新たなアクション・グループ「AIと高等教育」に、日本の大学への呼びかけに応じて本学から横井篤文副学長(グローバル・エンゲージメント担当)・ユネスコチェアホルダーと学術研究院医歯薬学域地域医療教育推進オフィス長の香田将英特任准教授の2人を推薦し、委員として参画しました。
 高等教育サステイナビリティ・イニシアチブ(HESI)*は、2012年に、持続可能な開発の推進における高等教育機関の役割を強化することを目的として複数の国連機関と高等教育コミュニティとのオープンなパートナーシップとして発足したもので、岡山大学は日本の大学では数少ない発足時からのHESIコミュニティの参加大学の1つです。
 アクション・グループの設置の背景には、人工知能(AI)、特に生成型AIアプリケーションの開発が加速し高等教育分野にも大きな影響を与えており、教育、学習、研究、エンゲージメント、マネジメントのあり方を再評価せざるを得なくなっているといった状況、さらに、感染症によるパンデミック、気候変動、生物多様性の喪失、拡大する不平等、政治的動揺など、さまざまな世界的な課題に起因してSDGsに向けた進捗は著しく停滞し、持続可能な開発を再び軌道に乗せるためには、根本的な転換と画期的なイノベーションを必要としているといった状況があります。
 アクション・グループ「AIと高等教育」は、持続可能な開発の視点から高等教育におけるAIの現在の傾向、機会及びリスクに関する知識基盤を構築する学際的な協力プラットフォームとしての役割を持ち、その下に5つの分科会*が置かれました。
 2025年2月から、横井副学長は「大学マネジメントにおけるAI」分科会の委員として、国連大学SDG大学連携プラットフォームサステナブル・キャンパス分科会座長、そして、マサチューセッツ工科大学サステナビリティ・オフィスの招聘客員教員の経験を通して、持続可能な開発の視点から、AIが高等教育のマネジメントの効率性と有効性をどのように高められるのか、学際的な議論を通して政策提言する役割を務めます。また、香田特任准教授は「研究開発」分科会の委員として、気候変動、再生可能エネルギー、生物多様性の喪失、持続可能な都市、社会的不平等など、世界的な課題に対する革新的なAIソリューションを生み出すミッション志向の研究開発を探究します。
 今後も、本学は高等教育機関としてAIに積極的に関わることで、地域と地球のありたい未来の共創に向けて、マルチステークホルダーかつ多世代連帯で研究・教育・社会貢献の取り組みを加速させていきます。

*高等教育サステイナビリティ・イニシアチブ[New window]
高等教育サステイナビリティ・イニシアチブ(Higher Education Sustainability Initiative (HESI))は、持続可能な開発の達成における高等教育の重要な役割を強調するため、毎年ハイレベル政治フォーラム(HLPF)の特別イベントとしてグローバル・フォーラムを開催しています。HESIは複数の国連機関と高等教育コミュニティとのパートナーシップであり、現在国連経済社会局(UN DESA)、国連大学、ユネスコ・ラテンアメリカ・カリブ海高等教育国際研究所(IESALC)およびスリテスト協会(Sulitest Association)が議長を務めています。その他の国連パートナーには、ユネスコ、国連環境計画、国連グローバル・コンパクトの「責任ある経営教育のための原則」イニシアチブ、国連人間居住計画、国際連合貿易開発会議、国連訓練調査研究所、国連パートナーシップ事務所および国連アカデミック・インパクトなどがあります。

*アクション・グループ:「AIと高等教育」の5つの分科会
・教育と学習のためのAI
・研究開発
・地域、産業とのエンゲージメントにおけるAI
・大学マネジメントにおけるAI
・AIの倫理と包摂性

【参考】
UNUウェブサイト
HLPF特別イベントにて持続可能な開発における高等教育の役割を強調[New window]

国連経済社会局(UN DESA)ウェブサイト
Futures of Higher Education and Artificial Intelligence[New window]
Concept Note[PDF][New window]

【本件問い合わせ先】
グローバル・エンゲージメント・オフィス
TEL: 086-251-8326(国際部国際企画課)

横井副学長(左)と香田教授(右)

横井副学長(左)と香田教授(右)

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